● 高齢者医療
南丹市の高齢化率は高く、当院でも90歳以上の通院患者さんが多くおられます。高齢者は一人で多くの病気を抱えていることがあり、臓器別の診療では解決が難しいことが多く、どのような日常生活を送っているのか、独居なのか、家族がいるのか、などを把握して初めて問題点を理解できることもあります。
疾患の診断治療だけではなく、地域連携室、包括支援センターや、ケアマネージャーと連携を持ち、生活の質の維持向上に努めています。
外来通院が困難になった場合は、訪問診療や、療養型病院や施設入所の紹介など、事情に応じた対応をしていきます。
● 呼吸器疾患
閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫や喘息の治療、また、慢性呼吸不全が進行し低酸素血症による呼吸困難を生じる場合には在宅酸素療法の導入を行っています。禁煙外来は、現在禁煙補助薬の供給不足が解消したら再開する予定です。
● 生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)
血液・尿検査、画像検査などにより状態を把握し、ガイドラインに沿って適切に療養指導を行っていきます。
糖尿病の三大合併症である網膜症の評価は、近隣の眼科と連携しています。腎症、神経障害は診察時に評価をしています。糖尿病の患者さんは自覚症状に乏しいのが特徴で、心筋梗塞・ 狭心症、閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化性合併症 については、当院で、頸動脈・心臓・下肢の超音波検査で評価を行い、高度医療機関での冠動脈CT検査、MRAの依頼も行い、早期診断に心がけております。
インスリン療法を行っている患者さんには、指先での血糖測定だけではなく、腕にセンサーを装着し、機器をかざすだけで血糖がわかるリブレセンサーを導入しています
● 消化器疾患
胃癌・大腸癌を早期発見することをモットーとし、南丹市の集団検診を積極的に活用するように啓蒙しながら、内視鏡検査で精密検査を行っております。
大腸に関しては当院で内視鏡治療を行っています。腹部症状については腹部超音波検査・CT・内視鏡などの検査で総合的に判断し、病状によっては消化器外科と運携して治療しています。
● 心不全・弁膜症・心房細動
心臓弁膜症も高齢化に伴い、増加しています。心臓超音波検査で的確に診断を行い、手術の適応があれば、高度医療機関に紹介しています。
心房細動は、脳梗塞を起こしやすい疾患です。カテーテル治療についても高度医療機関へ紹介しています。
「年のせい」とあきらめてしまっている患者さんもおられますが、個々人にあった治療を一緒に考えていきたいと思います。
● 膠原病・リウマチ性疾患
ガイドラインに沿った医療を行っております。関節リウマチに関しては従来の抗リウマチ薬に加えて、合併症に留意しながら生物学的製剤を使用しています。